「復活3」

息子が自分のことを、「まろ」と呼ぶようになった。
たとえば、電話にでると「ママあ、まろから電話」
といったふうである。
その言い方が案外おもしろいので、
もう、まろでいくのもいいか、と思い始めている。

というのも、ここ数年来は、まろを消すことへの戦いでもあった。
不覚にも、自力ではないところで名前が流通してしまったので、
どうにか別の名前とジャンルを立ち上げなければ
ならぬ、とひとり力んでいたのだ。

まろは、昔のニックネームだけれど、修業中のかくれみのには
ちょうどいい、などとも思っていた。

だからwebやブログなどをつくっても、
すぐに消しては縮小することの繰り返し。
過去の仕事のことなどをせっかくほめてもらっても
素直によろこべない。なぜなら、
すべては、「まろ」がやったことだからである。

せっかく自分の文章が好き、などと書いてくれたものにも、
突然消したりしてすいませんね。

どうにも自分には、ラベルを貼られることから逃げたい、
というへんな潜在意識があるらしい。
そういえば、大学時代も会社員時代も、そこに便乗してはならないと、
むやみに括られることを厭うというむなしい戦いをおこなっていたな。

だが、そんな拘りからも、そろそろ開放されようか。
けっきょく、どんな名前で書こうと(つくろうと)、
中味はいっしょだ。

昨晩は、ドS刑事を一時間まるまる見るという幸運に恵まれる。
ドSなのにあたたかな気分になる。
やっぱり、Mなのか?
原作者の七尾さんは個人的に少し存じているが、
これまでのミステリーをポップで新しいものに
変えようとしている。
(内藤まろ)