「復活6」

6月29日から箱根に一泊旅行に行った。ウィンブルドン錦織戦を
見てから寝ていると、腹のよじれるような振動に何度か
目を覚ます。翌日、知るところによると箱根山が噴火したということだった。

火山による揺れは、これまで経験した地震の揺れとはちょっと違う。ズズズズと
建物ごとすべるような感じ、または重くて硬い物質がきしむのに身を預けている感じか。

帰ろうとクルマへ近付くと、報道で見たとおりうっすらと
白い火山灰のようなものが積もっている。
だが、それより驚いたのは、小田原方面に近づいたときに
ラジオからながれてきた新幹線のニュースだろう。

東京、大阪間は数えきれないほどお世話になったし、
その日、多くの現場が麻痺するだろうことは想像できた。
それ以上に心配なのは、もちろん被害を受けた方々の今後だ。
ダメージを受けるのは、肉体だけではない。心もだから。

昨日、ウィンブルドンのセレナ戦を見ていて思ったのは、
どんなにタフな王者でも、心が折れるときがあるということだ。
ジョコビッチも然り。
王者になるほどの人間は、全てを瞬時に読めてしまうだろう。

ゲームの行きがかり上、観客の全てが(実際はそうでないのだろうが)自分の負けを願っていると悟ってしまった場合、そこから立て直すにはどれだけの精神力を必要とするだろう。

むしろ、相手はコートの上ではなく、それ以外のすべて。常にそれと戦っているといっても過言ではないのだろう。

それでも真の王者は、そこから復活する。そうして、さらに強くなり輝きを増す。ずいぶん話はそれたが、また箱根には行ってあげたいな。

(内藤まろ)