「復活9」

テニスだけだとどうしても左右のバランスが悪くなるので、そろそろゴルフを始めようかと考え、そういえば同期の井口が取手国際のオーナーをやっていたことを思い出し、先日の同期会でそう言ったら「お前はそんなことはしなくていい」とかえされた。

「それより、俺の結婚式でのお前のコメントよかったよな」と、いつもの調子でにやりと笑いながら肩に手をかけてきたのだが、正直なところ何を言ったか覚えていない。二次会の、本人への応援メッセージなど覚えているものか。毎年、井口はそう言ってくるので、さすがに今年は申し訳なくなって覚えていないことを告白すると「そんなことは、どうでもいいんだよ」とまたにやり。会社員時代の同期は、人を食ったような輩が多いな。まあ、人のことは言えないか。しかしオーナーを何年もやっていると、人徳のようなものも出てくるから不思議だ。

タイミング的にオリンピックのロゴの話も出たが、これは内側にいるか外側にいるかでまさに意見が分かれた。今やっている店の発注物においても、デザイン関係のものが幾つか発生するが、「デザインは、うちが製作するということでいいでしょうか」といわれると、つい引っかかってしまう。自分がイラストを描いて、ラフも描いて、指示書までかいて、デザインってそういうときに使う? とつい思ってしまったりする。

勿論、デザインは別に誰がやったっていいと思うし、最後まで自分でつくることもある。神はディテイルに宿ることも知っているよ。ただ、権利の奪い合いみたいなやりとりが厭なだけ。データ(記号化された情報)と、デザインの違いってなんなんだろう? デザインって、線引きがむずかしいな。

スポーツは集団でも個々の役割が外から見えるが、クリエイティブはわかりにくい。だからといって、どちらが優れているとはいえない。いずれにしろ、個が溶けていくジャンルと際立っていくジャンルが、今後はっきりしていくのは確かだろう。結局、ゴルフはまだやれていない。

(内藤まろ)