「復活11」

とある媒体の記事を全てAIが書いたという記事をどこかで読んだような気がするが、そのうちに読み書きの部分においては、世界中の言語が方言も含めて即自動変換されるという時代が来るのだろうな。それだけでなく、行き交っている音声も、空中で自動変換されるという時代がそう遠くない日に来そうだ。

そうなってくると、仕事も様変わりするのだろうが、案外生き残るのは日本の広告や、地方ごとに味を変えるカップラーメンといったドメスティックな分野かもしれない。人の根本的な嗜好性は、そう簡単には変わらなそうだ。特に日本人は、新しいものをすぐさま積極的にとり入れる反面、いいものは頑に守り続ける。それは、移動式の生活様式とされる狩猟社会において、定住式の狩猟社会を一万年以上にわたって守り続けていた縄文時代から続いているような気もする。

しかし、当たり前のように国際化も進んでいる。うちの店の大家さんは、日本で選ばれた中国人留学生のひとりだが、アメリカのジェイZ、ビヨンセ夫妻とシャンパンの独占契約を結んでいるらしく(話がでかい!)、そのご縁でドイツのワイナリーと、オリジナルのスパークリングワインをつくることになってしまった。なにがどうだか、インターナショナルな展開である。

たまたま、こないだうちに来たシッターさんは(日本の永住権をもった)ロシアの女性で、最初はどうコミュニケーションが成立するのだろうと若干不安だったが、日本人以上に日本人らしく、読み書きができないにも関わらず、うちの二歳の娘とすぐに馴染んでいた。見ていると、目で優しさを伝えていた。反対に、カナダから帰ってきたばかりの日本のシッターさんは、考え方がカナダ寄りで面白い。それでも、日本人的な繊細さは失われていない。

こうなると、外国で暮らす必要性をさほど感じない。無論、行かなければ、わからないことも山ほどあるけれど。それにしても、うちの店に、いつかビヨンセが来ないかな。(内藤まろ)