「復活15」

子供を救急病院につれていくと、受付で「内藤さん!」と声をかけられたので、
声のする方を見ると、にこにこした男性が中腰で手をあげていた。

なんとなく見た顔だなあ、とは思ったのだが、
すぐに思い出せなかったのは、
清水弁護士が、すっかり別人の顔になっていたからだ。

ネットのアドバイスなどをしてもらっているときには、
まったく隙のなさそうな様子なので、
よれよれのスーツとネクタイも意外な感じもしたのだ。

二人目のお子さんが産気づいて、慌てて来たところだというので見ると、
その横に女の人と、女の子と、初老の女性が座っている。
そして、奥さんのお腹が大きくなっていた。
弁護士も、家族の前ではこんなにも力の抜けた
パパの顔をするらしい笑。

縁のある人には、どこでも会うものだなあ、と感心しながら、
手を振って、その場を後にする。

娘が点滴を受けているあいだ、息子に勉強を教えながら、
ふと友人の子供の大学受験のことを思い出す。
友人の子供は、早稲田の「物理」と、慶應の「情報」の両方に受かって、
慶應の方を選んだらしい。

それで、早大出身である友人は、
すっかり落ち込んでいた。
自分は、そこまで母校にこだわりはないが、
友人の気持ちもわからないではない。
早稲田の「物理」といえば、理工の中では最難関だしな。
(いまでも、そうなのだろうか)

昨今の受験事情では、早慶の両方受かった場合、
ほぼ八割が慶應を選ぶらしいが、これも時代の流れなんだろう。
就職に、慶應が強い。というのが、その最たる理由らしいが、
ほかにも理由はありそうな気がするな。

ただ、外資の内定者の伸びは早稲田に勢いがあるらしいし、
女性ファッション誌の読者モデル登場回数は、
早大が慶大を抜きトップになったらしい。
(なんと、2017年情報! この辺、早大贔屓になってるか?)

自分たちの頃は、ワセジョといえば話は面白いけど、
女子力という概念からいくとどうだろう?
というイメージだったので、それだけでも隔世の感がある。
いずれにしても、比較する相手があるというのは、話のネタにはなりますな。

結局、自分も大学にこだわってるのだろうか。
まあ、そこから逃れることは、きっと一生できないのだろう。
でも、自分は慶應に行くなら学費出さない、
なんてことは絶対に言わない自信だけはある。
(いや、そういう親御さんが、本当にいたらしいのです)
そういえば、清水弁護士の経歴にも早稲田とあったかな。。

それにしても、慶應幼稚舎が恵比寿なら、
早稲田の小学校はもう少し都心部にあった方がよかったんじゃないだろうか。。
小さい子供は、親のサポートなしに、遠くまで通うことはできないから。
(内藤まろ)