「復活17」

今日は(正確にいえば昨日かな)、待望の新車が届く日だった。
なんやかんやで、二ヶ月以上遅れていた。
朝から、イチロー選手のメジャー三千本安打達成に興奮しつつ、
オリンピックでは日本選手の敗退と、
ジョコビッチの初戦敗退に衝撃を受ける。
いや、相手がデルポトロでは意外ではない。
三セットマッチでは、ビッグサーバーや攻撃型の選手が
一気に畳み掛けて、試合を決めてしまうことが起こりうる。

それに、ジョコビッチの敗戦という言い方は正しくないかもしれない。
デルボトロの勝利、または対ジョコビッチへの勝利、というのが、
勝者に対する正当なリスペクトというものだろう。
先のウィンブルドンで、ジョコビッチの連続勝利がストップされたとき、
イギリスのインタビュアーたちは、
「ジョコビッチの敗戦をどう思いますか?」 
とは聞かずに、
「(勝った選手が)ジョコビッチに勝ったことをどう思いますか?」
と、常に勝者をたてる形で人々に尋ねていた。
これがイギリスの、いや世界の、戦う人々に対峙するべき姿勢だ。

ディーラーで納車式を済ませてから、荷ほどきが済んでいない
イギリス大使館の近くにある次の居住地へとたどり着くと、
天皇陛下から「生前退位」のお気持ちが公表される。
いったいなんて日だろう。今日は。いやこの数日は。
映像を見ながら、天皇陛下とはつくづく日本の活力なのだと実感する。
陛下の背後には、確かに日本人一人ひとりの姿が見えてくる。
これぞ「日本の象徴」というものだろう。

まだ荷物の残っている方の家に帰るにあたり、
ポケットに新車のキーを探すと見つからない。
妻の舞台が無事スタートし、ほっとしたからだろうか。
あまりにいろんなことが起きすぎたせいだろうか。
なぜかどうしても見つからない。
一時間ほど探し続けて断念し、
擦り傷のないピカピカのクルマを家族に見せるのは、
明日にお預けと相成り候。
そして、引越しはいまだ途上である。
(内藤まろ)